家庭用エネルギーマネジメントシステムデータを用いた家庭用電力需要データ分析に関する論文が、2016年12月10日、工学的に注目すべき研究成果として、カナダのリサーチ会社 Advances in Engineering 社（以下AIE社）のホームページに掲載されました。

　AIE社は、主な学術雑誌から、実用的、応用的観点から重要な研究を抽出し（全学術分野の論文から20/week、採択率0.1%以下）、自社のWebサイトを通じて世界の民間企業にその研究成果の概要をアナウンスし、コンサルティングやマッチングを行なう会社です。
　AIE社が注目したのは、岩船らが2015年に発表した以下の論文です。この研究では、740世帯の1年間の家庭用エネルギーマネジメントシステムのデータを用いて、用途別、季節別時間帯別のパネルデータ分析を実施し、家庭の電力消費に影響を及ぼす因子を推定しました。住宅種類、床面積、世帯人数、気象条件、暖房設備種類といった主要な説明変数の寄与度を定量的に評価したほか、保有家電による電力消費量の差や、機器の使用時間、お湯の使い方、ペットの有無等ライフスタイルに関連する様々な因子の影響を分析しました。得られた知見は、日本の住宅分野におけるさらなる省エネルギーの促進に寄与できるものです。
　本研究は、科学技術振興機構CRESTと環境省の助成を受けたものです。